「ジョーカー・ゲーム」柳広司
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作成日時 : 2009/01/09 06:55
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ユーザレビュー:  娯楽作品とし ...  濃密な短編集 ...  悪人じゃない ...  今年の「このミステリーがすごい!」、国内部門の2位が本書。
帝国陸軍に設立されたスパイ組織(D機関)を舞台にした短編集である。各編はD機関の構成員が主人公となり展開するが、D機関設立者にして彼らの師である結城中佐が影の(真の)主役である。収録された5編のうち最も気に入ったのは表題作の「ジョーカー・ゲーム」。
短編集は「一編一問」という感じで、パズルを解くような感覚で読める。「やられた!」とか「これはわかるよ。」とか「これはちょっと無理があるのでは?」と思いながら読む。緻密で混み入った長編が好きだが、このような短編集もきらいではない。もっとも、あまり頭(心)に残らないのだが。最近の「このミス」では、佐々木譲の「制服捜査」も駐在警官の活躍を題材とした短編集で面白かった。
さて、スパイ。命を懸けて敵陣に忍び込み、極秘情報を入手したり破壊工作をする「情報戦の花形」というイメージがあるが、実際(現状)はどうなのだろうか。「秘密情報のほとんどは公開情報から抽出できる」ともいわれていたところ、インターネットの発達により激増した公開情報。地球上のどの地点についても数+cm分解能の画像を取得できる軍事衛星。もちろん、これらの手段では得られないヒューミントの希少価値は変わらないとはいえ、情報戦・情報活動の重心は、今や(あるいは昔から?)膨大な情報の解釈・解析という頭脳・机上活動にあるのかもしれない。
結城中佐曰く「スパイとは”見えない存在”であること」。ジェームス・ボンドでは全然ダメということだ。
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